「開業副業調査ラボbyフランチャイズ比較.net」調査第3弾!夏ボーナス前年比増でも不満足?!95%超が現職に不安、高まる副業のニーズ。求めるのは「自由・チャレンジ」よりも「低リスク・安定収入」

プレスリリース 2022/06/17

 じげんが運営する開業支援・フランチャイズ業界調査組織「開業副業調査ラボbyフランチャイズ比較.net」は、現在仕事をしていて開業・副業(兼業)を検討中の231名にアンケート調査を実施し、「副業を検討したきっかけや副業開始にあたり重視していること、不安なこと」についてレポートをまとめましたので、お届けいたします。「開業副業調査ラボbyフランチャイズ比較.net」は、開業検討中の方や開業支援・フランチャイズ業界に向けた情報発信を目的に設立した、「フランチャイズ比較.net」が運営する業界調査組織です。サービスユーザーを対象とした意識調査を元にデータを分析し、より真剣に開業を検討されている方の傾向や需要などについて、時流に沿った調査レポートを発表してまいります。

 コロナが徐々に落ち着き人の動きが活発化しているなか、2022年度の東証プライム上場企業の夏季ボーナスは、前年同期比で6.5%増となりました。前年比マイナス2.5%となった昨年度と比較すると、コロナショックから立ち直りを見せています。(1)一方、このたびの「開業副業調査ラボbyフランチャイズ比較.net」の調査によると回答者の95%は現職に不満を感じており、収入の少なさが副業(兼業)の後押しとなっていることがわかりました。本レポートでは、現在仕事をしていて開業・副業を検討中の231名にアンケートを実施し、「副業を検討したきっかけや副業開始にあたり重視していること、不安なこと」」について分析した結果をご紹介いたします。

 1.一般財団法人労務行政研究所「東証プライム上場企業の2022年夏季賞与・⼀時⾦(ボーナス)の妥結⽔準調査(2022年5月11日)」

■開業にあたり約半数が「副業スタイル」を希望!所得がやや低い40~50代の中高年層がボリュームゾーン
現在仕事をしている人に、新しいビジネスを始めるにあたり独立開業と副業(兼業)のどちらを想定しているか尋ねたところ、「副業したい」が42.9%、「現在の仕事を辞めて独立開業をしたい」が32.5%となりました。また、副業希望者に現在の仕事の継続意思を聞いたところ、「現在の仕事を辞めずに副業したい」は55.6%となり、「いずれは現職の仕事を辞めたい」割合と大差ない結果となりました。2018年の副業解禁以降、副業を認める企業やリモートワークの導入企業は右肩上がりに増えています。この時代背景に合わせて、新しいビジネスを始める際は無理に現職をきっぱり辞めるのではなく、今の仕事を続けながら副業するという選択肢が加わり、世間に浸透してきたことが伺えます。

 年齢について見てみると、30代後半から副業(兼業)の希望者は増加を続け、50代前半でピークを迎えます。30代の希望者が8%に対して、40代は28%、50代は44%となっており、40~50代の中高年層に集中している点が特徴です。日本人の第一子出産の平均年齢は30.7歳(2)一般財団法人労務行政研究所「東証プライム上場企業の2022年夏季賞与・⼀時⾦(ボーナス)の妥結⽔準調査(2022年5月11日)」であり、40代は子どもの教育費が最も負担になりやすいため収入を増やしたいと考え、子育てが落ち着く50代は改めて自分たちの余生を見直し、老後の生活費や定年までのキャリア形成について考えることから、副業を始めたい人が数多いと読み取れます。
一方で、副業ではなく脱サラ(完全な独立)を希望する人のデータを見ると、50代だけで全体の4割を占めます。副業希望者は30代後半から徐々に増えていますが、脱サラ希望者は40代後半から急速に増え始めています。大学卒業後20代前半から65歳の年金受給開始まで働いた場合、40代後半はちょうど社会人折り返しに入るタイミングです。副業よりも脱サラをして、大きく働き方を変えながら残りのキャリアを構築したいと考える人が増加していると推察されます。

2. 厚生労働省「出生に関する統計の概況(令和3年度)」

 さらに、年収について見てみると、副業(兼業)検討者のボリュームゾーンは「200万円未満」の21.2%です。「年収400万円未満」までと合わせると48%と約半数を占めており、「年収400~600万円未満」は22%にとどまります。対して、脱サラ検討者の年収において「200万未満」の割合は11.8%と副業検討者よりも少なく、「400~600万円未満」は29.4%と、僅差ですが脱サラ検討者の方がやや現年収が高い傾向にあります。なお、国税庁の調査によると、個人の平均年収は433万(男性532万円、女性293万円)(3)です。このことから、副業検討者は平均よりも低所得層であり、開業したくても店を持つほどの資金がない状態と予測できます。

3.国税庁「民間給与実態統計調査(令和2年分)」

■上がらない給料に物価・税金・社会保険料アップ…経済不安を背景に、不安・不満は収入や働き方に集中
 現在の仕事に対する不安と不満について調査したところ、95.3%の大多数が「不安がある」と回答しました。不安の要因は、「業績が悪化している・これから悪化しそう」、「努力しても収入が上がらな
そう」、「年齢的にすぐ限界がおとずれそう」、「メンタルがやられそう」の項目に回答が集まっています。日本は直近30年間で賃金が上がっていないにも関わらず、物価は上昇し、税金や社会保険料の負担は増えているため可処分所得が減少しています。この時代背景から、働き手の多くは企業の業績や賃金への不安を抱えているとみられます。
 また、少子高齢化の影響もあり、国は「人生100年時代」の標語を掲げながら年金受給開始を繰り下げる制度の新設や、70歳まで継続雇用を支援する制度を後押ししています。長く働こうという政策の後押しがありながらも、現実的には年齢の限界や、近年注目されているメンタルヘルス問題への不安も強く、働き手のストレスは増大していることが見て取れます。

 現在の仕事への不満については、「不満がある」と回答した人は79.8%にのぼり、要因は「収入が少ない」と感じている割合が圧倒的に多く、次いで「休みを取りづらい」や「休みが少ない」、「昇進・昇格が難しい」などが続きます。現在の仕事への不安と同じく収入面の影響が大きいですが、休みの取り方や日数、終業時間の不規則さや業務時間外の対応有無など、労働時間と働き方に関する項目が不満に繋がっています。

 続いて、不安・不満を抱えながらも現職を続けている理由を尋ねたところ、「安定した収入は必要だから」が3割を超えました。「今の仕事も大事にしたい」という理由以外は、いまだ今後の見通しが立たず、お金が足りないから続けているという回答が目立ち、収入面の不安と不満が、副業(兼業)や開業検討のきっかけになっていると考えられます。

■副業で求めるのは「自由な働き方・チャレンジ性」よりも「安定収入・低リスク」!副業の懸念は73%が資金関連 
副業(兼業)を検討するきっかけについて調査したところ、「今の仕事では収入が少ないから」が32%の1位となりました。この項目に加えて「老後の資金に不安がある」、「自分のスキルを使ってもっと稼ぎたい」を合わせると49%となり、全体の半数を収入関係の項目が占めています。その他の理由としては、「興味がある分野で新しく仕事をしてみたい」が18%、「もっと自由な時間で働きたい」と「定年を気にせず働き続けたい」がともに11%でした。好きな仕事・場所で働きたいといった自由度やチャレンジよりも、前述の通り現職の収入不安から現実的に稼ぎを増やしたい意向が非常に強いことが伺えます。

 また、副業(兼業)を検討するにあたり重要なポイントを尋ねた結果、「安定収益が見込めるか」が39%、「初期投資金の安さ」が23%となり、再び収入に関する項目が63%と過半数を超えています。これまでご紹介した調査データから、現職の収入に満足しておらず開業したくてもまとまったお金がない、さらにどんな仕事で副業していくか決まっておらず、今すぐ仕事を辞められないという人が副業を検討していると想定できます。あまり余裕がない現状から、副業するならとにかく安定収入で、リスクの少ない働き方を希望する人が多いと考えられます。

 類似した質問で、副業(兼業)検討にあたり重要なポイント13個のうち当てはまるもの全てを回答した結果を見てみると、優先順位の低い項目が浮かび上がりました。「短期間でノウハウを獲得できるか」と「法人化や複数店舗経営などの成長が見込めるか」は4%、「競合に負けない特色があるか」は3%と、短時間で利益を上げるのではなく着実に稼ぎたく、事業の成長性やオリジナリティのプライオリティは低いということがわかりました。

 加えて、副業(兼業)を検討するにあたり最も不安に感じていることは何か尋ねたところ、上位4位まで全て資金関係の不安となり、全体の73%を占めています。収入・資金面以外の不安要素としては、「詐欺まがいの怪しいビジネスに引っかかってしまう可能性」、「業界未経験でもできるのか」、「家族に負担をかけてしまいそう」が挙がりました。

■人気No.1は「ネットビジネス」!過半数超えの63%が週休2日以下の積極的に働くスタイルの副業を希望。
 副業(兼業)するにあたりどの業界に興味があるかを調べると、様々な業界に回答が分散されたものの、唯一「ネットビジネス」が群を抜いて人気の結果となりました。「ネットビジネス」は今の仕事を続けながら、PC一つで在宅にてチャレンジできる点から人気を集めているようです。その他、日常的に利用していてイメージがつきやすい「飲食業」、高齢化社会において需要が高く安定収入を見越せる「介護・福祉」、ストック型ビジネスで安定需要が見込める「学習塾・幼児教教育」、そして在宅で誰でも簡単にスタートできる「買取販売」に関心が集まっています。

 また、副業(兼業)開始後の労働時間について尋ねたところ、「必要があれば毎日積極的に働きたい」と意欲的に考えている割合が25.8%と最も多くなりました。一方で、「時間に縛られることなく気が向いたときに自由に働きたい」が2位の15%となり、意見が両極端に別れている点が特徴的です。働きたくない層と週1日〜3日程度の層の合計が22%に対して、積極的に働きたい層の合計は63%であることから、大多数は副業に意欲的に取り組みたいと考えていると言えます。

 最後に、副業(兼業)で期待する月収を尋ねたところ、「50~100万円未満」が31%、「30~50万円未満」が22%となりました。50~100万円を年収換算すると(賞与含まず12か月で計算)600~1200万円となり、30~50万円の年収換算は400万~600万円です。日本の平均年収は433万円のため、副業希望者は現職よりも大きく稼ぎたいと期待していることがわかります。

 今回の調査結果から、副業(兼業)を検討している人は、今の仕事を辞めて脱サラを希望する人よりもやや年収が低く、現職の収入への不安・不満から副業を考えていることがわかりました。副業検討にあたり、興味がある業種はネットビジネス、飲食業、介護・福祉系となり、脱サラ希望者と同じ結果となっていますが、副業希望者はどの調査項目にも収入要素が影響している点が特徴的でした。
 脱サラ希望者と同じく、「好きな仕事にチャレンジしたい」、「自由気ままに副業でノマドワークしたい」といった人よりも、地に足をつけてリスクなく副業をしたい、副業するなら積極的に労働時間も増やして現年収を大きく超えていきたいと考えていることが推察されます。

■調査概要
・調査期間 :2022年2月22日〜3月8日
・調査対象者 :「フランチャイズ比較.net」ユーザー231名
・調査方法 :インターネット調査

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開業副業調査ラボbyフランチャイズ比較.net 概要

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